きぼうはなぜ見える

「きぼう」のある国際宇宙ステーション (ISS) は、いくつかの条件がそろえば、あなたの住む街からでも肉眼で見ることができます。ここでは、その条件をひとつずつ説明していきます。ISSが見えるとはどういうことなのか、仕組みがわかると宇宙がもっと身近に感じられるようになるでしょう。

国際宇宙ステーション(ISS)について

まず、「きぼう」のある国際宇宙ステーション(以下ISSと呼びます)について簡単に説明します。ISSは、地上から約400km上空に建設された有人実験施設です。サッカーコートほどの巨大な施設が、1周約90分というスピードで地球の周りを回っています。

ISS には複数の宇宙飛行士が滞在し、実験・研究、地球や天体の観測などを行っています。米国・ロシア・欧州・カナダ、そして日本など世界各国が共に作り、運用している、人類初の一大プロジェクトです。

そんな ISS の一部として日本が開発した実験施設が、「きぼう」日本実験棟です。微小重力などの宇宙の特殊な環境を利用して、企業や大学、研究機関が世界最先端の研究を行っています。

地上からISSが見える条件

あなたのいる場所からISSが見える条件は、大きく3つあります。

  • 1) 空が晴れている時
  • 2) あなたの上空付近をISSが通過する時
  • 3) あなたのいる場所は夜だけど、ISSは昼の時

1の条件は理解しやすいでしょう。ISSは雲より高い宇宙空間を飛んでいるので、曇っていると地上からは見えません。それ以外の2つの条件については、ISSが地球の周りを飛行している仕組みと密接に関係しています。ひとつずつ説明していきましょう。

ISSはいつも同じ軌道を回っている

「きぼう予報」を見ていると、ISSが日本上空を通過するコースは、毎回違っているように見えます。どのようなルールで、ISSは地球の周りを飛行しているのでしょうか?

実はISSは同じ軌道を回っているのですが、地球が自転によって回転しているため、ISSが通過する位置が変化していくのです。ISSは赤道面に対して斜めの軌道を 90 分かけて 1 周しますが、その間に地球は 22.5 度回転します。地上からの視点では、ISSの通過地点はどんどん西にずれていくように見えます。
「きぼう予報」では、ISSの軌道と地球の自転を計算し、次にあなたの上空付近をISSが通過するタイミングを予想しているのです。

地上は夜、ISSは昼

ISSが見えるためには、もうひとつの条件をクリアする必要があります。そもそも、ISSは自分で光っているわけではありません。月や金星などと同じように、太陽の光を反射して明るく輝きます。ISSを地上から見るためには、ISSに太陽の光が当たっている時間、つまりISSにとって昼の時間である必要があります。
その一方で、地上では、昼間は星が見えないように、夜の間しかISSの輝きは見ることができません。
あなたのいる地上は夜、上空を飛行しているISSは昼、という状況でないと、ISSを見ることができないのです。

そのような都合のいい状況があるんでしょうか?それがあるのです!
ISSは地上 400km 上空にあるため、地上の日が落ちてからしばらくの間は太陽に照らされているのです。同様に、地上の日の出よりも先に上空の ISS には太陽の光が当たります。季節によりますが、日の出前や日の入り後の約 2 時間は、地上は夜ですが 400km 上空はまだ昼の状態です。この時間帯に ISSがあなたの上空付近を通過した時、夜空に輝くISSを見ることができるのです。
「きぼう予報」では、このような太陽の位置も計算した上で、ISSが見える時間帯を割り出しています。

もっと詳しく知りたい方へ

ISSが見えるという事象の裏側には、様々な宇宙の仕組みが関与しています。ここでの説明はとても基本的なものです。実際にはもっと複雑な仕組みや例外がたくさんあります。もっと詳しく知りたい方のために、JAXAの中から、わかりやすく説明しているページを紹介します。

#きぼうを見よう

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